注文住宅の予算はいくら?頭金の決め方からローンの組み方まで解説!

2021.04.30

住まいづくり

注文住宅では間取りや外構デザイン、内装、設備などを自分好みに選べる反面、自由度が高すぎることが裏目に出てしまい、予算オーバーになることも。そこで、今回は注文住宅を検討するときに押さえておきたい「予算を組むうえでのポイント」や、「収入に対しての予算の目安」など、注文住宅にかかる予算の決め方について説明していきます。

注文住宅の費用はどのくらいかかる?

注文住宅の費用は具体的にどれくらいかかるのか、全国の各地域ごとのデータを見ながら、その大まかな目安をつかんでおきましょう。

注文住宅の相場

注文住宅の相場を全国の各エリアごとに見ていくと次の通りです。建物のみの場合の相場と、土地と建物での相場、2つのパターンで見ていきましょう。

・建物のみの注文住宅の相場

●全国
住宅面積平均:125.8㎡(約38坪)
建設費:3,454万円

●首都圏
住宅面積平均:125.2㎡(約38坪)
建設費:3,772万円

●近畿圏
住宅面積平均:125.3㎡(約38坪)
建設費:3,555万円

●東海圏
住宅面積平均:127.8㎡(約39坪)
建設費:3,522万円

●その他地域
住宅面積平均:125.6㎡(約38坪)
建設費:3,276万円

・土地+建物の注文住宅の相場

●全国
住宅面積平均:111.5㎡(約34坪)
建設費:4,257万円

●首都圏
住宅面積平均:105.8㎡(約32坪)
建設費:4,993万円

●近畿圏
住宅面積平均:111.0㎡(約34坪)
建設費:4,343万円

●東海圏
住宅面積平均:115.2㎡(約35坪)
建設費:4,278万円

●その他地域
住宅面積平均:113.8㎡(約34坪)
建設費:3,869万円

出典:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

注文住宅の費用内訳

それでは次に注文住宅にかかる費用の内訳を説明しましょう。建物本体にかかる費用、公的な申請やローンの手数料などの諸経費、その他、引っ越しや保険料にかかる費用の3つに分類します。

【建物】
・建物本体工事
・地盤改良工事(必要な場合)
・附帯工事費
・外構工事費
・設計費用 など

【諸経費】
・設計監理費
・印紙税
・建築確認の申請費用
・上下水道加入料
・登録免許税
・地鎮祭の費用
・ローン保証料
・融資の事務手数料 など

【そのほかに必要となる費用】
・引越し費用
・仮住まい費用
・家具家電購入費用
・火災、地震保険料 など

最も大きなウエイトを占めるのは建物本体工事費です。これに加えて、地盤改良工事が必要だと、場合によっては100〜200万円の費用が発生します。また、登録免許税や印紙税、ローンの保証料などもトータルすると100~200万円ほどになることが多いため、あらかじめ予算に計上しておく必要があるでしょう。

データで見る注文住宅の年収と予算

家を購入する際は住宅ローンを利用することが多いでしょう。そこで、世帯年収に対してどれくらいのローンを組めるのか、予算を組むことのできる最大値はどれくらいか知りたいところですね。そこで、参考になる指標が「年収倍率」です。

「年収倍率」とは、住宅の購入費用を世帯年収で割った数字のこと。世帯年収の何倍を融資額にあてているのか、この指標でわかります。 全国平均の「年収倍率」について、主なデータを示しておきましょう。
 
・建物のみの注文住宅の融資額
●全国:6.5倍
●首都圏:6.6倍
●近畿圏:6.8倍
●東海圏:6.6倍
●その他地域:6.4倍

単純に計算すると、世帯年収が600万円だった場合、全国平均で3900万円まで借り入れをしている、ということになります。建物と土地、両方込みでの注文住宅となると、次のような結果になります。

・土地+建物の注文住宅の融資額
●全国:7.3倍
●首都圏:7.7倍
●近畿圏:7.5倍
●東海圏:7.4倍
●その他地域:7.0倍

年収によっていくらまで借り入れできるかだけでなく、借主の年齢によっても融資額は異なるため、あくまでも一つの目安として考える必要があります。

出典:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

データで見るローンの返済期間

住宅金融支援機構の「2020年度 住宅ローン貸出動向調査」にとると、ローンの新規貸出期間は25年超~30年以下の割合が多く、2019年度で全体の44.4%を占めます。さらに実際に完済までにかかった期間は、10年超~15年以下が43.2%と最も多い結果となっています。

これは「繰上げ返済」などによって完済期間を短くしている世帯が多いということ。ただし、全体的な傾向としては年々、完済期間は長めとなっているので、経済状況の悪化や土地価格の上昇などが続くと、この傾向にさらに拍車がかかるかもしれません。

注文住宅の予算の決め方

注文住宅についておおまかな予算の目安がわかったところで、次に具体的な予算の決め方について説明していきましょう。ケースバイケースとはいえ、大まかな方針を理解しておくと、購入計画を立てやすくなるはずです。

頭金を決める

ローンを組む際にある程度自己資金を用意することができると、返済計画に余裕を持たせることが可能です。注文住宅に限らず、住宅の購入では購入時にかかる「諸経費」と、そのあとの住宅ローンでの「返済費用」の2つで費用が決定します。

購入時にかかる「諸経費」は基本的に自己資金で負担することになります。オーバーローンなど、諸経費も住宅ローンに組み込むことはできますが、金利が高くなるなどのデメリットが生じます。そのため、まずはどれくらいの自己資金を頭金として準備できるのか決めることが重要です。

その際に重要になるのが、貯蓄額すべてを頭金にあてないようにすること。今後の老後設計や子どもにかかる教育費用、さらには注文住宅では予期せぬ費用が追加でかかることも想定されますので、そうした予備費込みで頭金を決めることが大切です。

ローンを組む金額を決める

先ほど説明した「年収倍率」をもとに、実際に注文住宅を建てた人がどれくらいのローンを組んでいるのかわかりました。ただ、借主の世帯構成、年齢、勤務先の状況などによって、実際に借りられる金額は異なります。より正確なシミュレーションを行う際には、事前にファイナンシャルプランナーや住宅会社などに資金計画を相談するのがおすすめです。

ローンはいくら返済できるのかが大切

ローンはいくら組めるのかではなく、いくらまで返済できるのかが大切です。各金融機関の試算によっては返済負担率が30〜35%くらいまで可能としているところが多いです。

ちなみに「2019年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅で建物のみの場合の返済負担率は20.4%、土地付き注文住宅だと23.8%となっているので、これを一つの目安に考えておくとよいでしょう。

出典:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

注文住宅で予算をオーバーさせないためには?

予算の目安がわかってくると、どんな注文住宅するのかという具体的なイメージがわいてくるはずです。しかし、次に注意したい問題は「予算オーバー」。注文住宅では理想を追い求めるあまり、どうしても予算オーバーになりがちです。そこで、予算オーバーにならないための注意点について、いくつか説明していきましょう。

間取りなどを決める前に限度額を決める

デザインや間取りを決めたあとに初めて費用がわかるといった段取りだと、予算オーバーになりやすいです。そこで、計画当初からある程度「限度額」を決めてしまう、という方法がおすすめです。

内壁や外壁などの面積の大きい仕様や、予算に決定的な影響を与える間取りなどを決める前に、限度額をあらかじめ決めておきましょう。理想的な住まいの実現と同期に、初めから「予算の範囲で」という制限を加えておいたほうが、あとあと後悔しない家づくりを実現できます。

家のサイズや間取り、内壁や外壁などの仕様は一度決めてしまうと修正が効きにくい部分でもありますから、「ここだけはゆずれない」という優先順位を付けつつ、予算の範囲内でムダのない家づくりをすることが重要です。

注文住宅の契約前に多めの予算を見積もってもらう

限度額をあらかじめて決めておくほうがベターとはいえ、あまりに制限がかかるとせっかくの注文住宅づくりの意味がありません。ある程度が自分たちの理想や夢を現実にする計画案を練りたいところです。

そこで、予算規模の限度額を決めておくと同時に、最初の計画段階で余裕を持った見積もり案をだしてもらう、ということも重要です。理想を出来るだけ実現した場合にかかる金額と、実際に準備できる予算限度額を比較することで、どの点を妥協するべきなのかといった点が見えてきます。

一度計画が走り出すと修正が難しくなるのが注文住宅の家づくりです。できるだけ事前に理想と現実のギャップを埋める作業を済ませておくことが、上手な住まいづくりのコツといえるでしょう。

住宅設備は事前に実物を確認する

家づくりのうえで高額になりやすいのが住宅設備機器です。システムキッチンやユニットバス、トイレなど、水回りを中心に意外と金額のかかるところ。メーカーや商品のグレードによっても金額差が生じやすいです。

設備の選定次第で予算規模が大きく変わるので、ショールームに実際に行ってみたうえで、実際に欲しい設備や機能を確認し、必要のないものを判断しておきましょう。使いやすさとコストパフォーマンスを出来るだけ高いレベルで両立するためにも、契約前にさまざまな観点から検討しておくことが大切です。

費用をかけるところかけないところを考える

予算規模を決めておくこと、理想を出来るだけ実現した場合の見積もりとの差を把握しておくこと、予算規模を左右しやすい住設機器を事前に選定すること、といった点をあげてきましたが、これらすべてに共通する考え方が、「優先順位を決めておく」を前提としています。

例えば来客が多いことを想定するのであれば、人に見えるリビングにはお金をかけて、誰にも見せない自分の部屋などは費用を削る、といったメリハリをつけることが大事です。こういったメリハリの付け方はそれぞれの家庭の事情や要望によって変わってくるので、優先順位を家族間でよく話し合っておくことが重要になるでしょう。

夢の注文住宅は予算決めから始まる

注文住宅は自由度が高いのが魅力ですが、予算規模が膨らみやすいという難点があります。全国的な相場や世帯年収などから予算の目安をイメージしつつ、予算オーバーとならないように計画を考えることが重要です。

具体的な計画の手助けとしてはプロに相談するのも確実な方法です。ビルドアートでは、単なる設計相談だけでなく資金計画の相談も承っておりますので、理想的な住まいと予算の折り合いをつけたご提案が可能となっております。ぜひ一度、気軽にご相談ください。

ビルドアート「オンライン住宅相談会」

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