注文住宅の価格相場と費用を抑えるコツ

2021.04.16

おかねの話

注文住宅を検討しているものの、実際にどのくらいの費用を予算に見積もっておけばよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。この記事では、注文住宅を建てる際にかかる費用のほか、一般的な価格相場や費用を抑えるコツを解説します。注文住宅の相場や必要な費用を把握し、理想のマイホームづくりに活かしましょう!

注文住宅でかかる費用

ここでは、注文住宅を建てる際にかかる費用を一覧で紹介します。

【土地(土地から探す人)】
・土地購入代

【建物】
・建物本体工事
・地盤改良工事(必要に応じて)
・附帯工事費
・外構工事費
・設計費用 など

【諸経費】
・土地売買の仲介手数料
・不動産登記の登録免許税
・住宅ローンに関する手数料 など

土地探しから始める人は、土地の購入代が必要です。建物の購入には、住宅の建築費(建物本体工事)のほか、配管などの工事費用や設計料などもかかります。さらに、土地・建築費の諸経費も必要で、土地・建築費総額の10%前後かかります。

注文住宅の相場はどのくらい?

注文住宅の相場について、建物のみの購入した場合と土地と建物をセットで購入した場合のケースで解説します。また、建てる地域や工法によって価格は異なる点に注意しましょう。

建物のみの注文住宅の相場

「2019年度 フラット35利用者調査」によると、建物のみの注文住宅の全国平均は、住宅面積平均が125.8㎡(約38坪)で、建設費は3,454万円となっています。地域別の住宅面積と建設費の平均は、以下のとおりです。

●首都圏
住宅面積平均:125.2㎡(約38坪)
建設費:3,772万円

●近畿圏
住宅面積平均:125.3㎡(約38坪)
建設費:3,555万円

●東海圏
住宅面積平均:127.8㎡(約39坪)
建設費:3,522万円

●その他地域
住宅面積平均:125.6㎡(約38坪)
建設費:3,276万円

土地+建物の注文住宅の相場

「2019年度 フラット35利用者調査」によると、土地付き注文住宅の全国平均は、住宅面積平均が111.5㎡(約34坪)で、建設費は4,257万円でした。地域ごとの平均を確認しておきましょう。

●首都圏
住宅面積平均:105.8㎡(約32坪)
建設費:4,993万円

●近畿圏
住宅面積平均:111.0㎡(約34坪)
建設費:4,343万円

●東海圏
住宅面積平均:115.2㎡(約35坪)
建設費:4,278万円

●その他地域
住宅面積平均:113.8㎡(約34坪)
建設費:3,869万円

出典:2019年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

注文住宅の価格を抑えるには?

上述のとおり、建物のみであれば3,500万円前後の費用が、土地付き建物を購入する場合は4,000~5,000万円前後の費用が必要になります。では、注文住宅の価格を安く抑えるためには、どのような方法があるのか解説します。

土地の価格を抑えるには

まずは、土地の購入費用を安く抑えるためにできることを確認しておきましょう。費用を抑えるコツは、土地の予算そのものの価格を下げる、もしくは、売主と交渉する方法があります。それぞれの方法について、くわしく解説します。

・土地の予算自体を下げる
手間をかけずに土地の購入費用を安く抑えたい場合は、予算の見直しを行う必要があります。以下のように見直せる条件を考えてみましょう。

▶︎エリアの見直しをする
急行や新幹線が停まる主要な駅ではなく、各駅停車が停まる駅があるエリアにしたり、一駅ずらしたりするなどのエリアの見直しも有効です。また、駅から近いエリアは土地代が高い傾向にあるため、駅からバスを使う範囲に広げるのも一つです。

▶︎余計な費用がかからなそうな土地を選ぶ
土地代以外にかかる費用を安く抑えるなら、地盤の改良工事が不要な土地を選ぶことも大切です。地盤の強さはある程度予測できるので、土地探しをする際には不動産屋さんや工務店・ハウスメーカーの担当者に相談しておきましょう。また、建物が建っていれば解体工事が必要になるので、更地の土地を選ぶなど、余計な費用がかからない土地を選ぶことは予算オーバーさせないポイントです。

・売主と価格交渉する
購入したい土地の売主に対して、土地代の値引き交渉を行うことも可能です。土地の価格は、いくらで取引しなければならないといった明確なルールはありません。そのため、交渉次第で、売主が値引きしてくれる可能性があります。まずは、土地を購入する意思を明確に提示する「買付証明書」を提出する際に、希望する金額を記載しましょう。長期間に売れ残っている土地や、売主が早く売りたいと考えている土地であれば、売主が交渉に応じてくれるケースも多いです。

ただし、人気が高い土地やエリアでは、交渉に応じてもらえない、本来の販売価格で購入してくれる人と先に契約を締結するなどのケースも少なくありません。また、売主が値引きに応じてくれたとしても、数百万円単位での値引きはしてもらえないことを理解しておく必要があります。

建物の価格を抑えるには

建物の建築費用を安く抑えるためには、シンプルなデザインの外観にする、バルコニーを小さくするなど、設計段階での工夫が必要です。以下で紹介するコツを、建築費用を安くする際の参考にしてみてください。

・建物のかたちをオーソドックスにする
建物の敷地面積を小さくすれば、建築費用を安く抑えることができます。しかし、同居家族の人数が多い場合や、子供が大きくなったら1人ずつ部屋を与えたいなどの将来設計がある場合は、敷地面積を減らすと問題が生じる可能性もあります。

面積を小さくする以外の方法として、建物の形状を工夫するとよいでしょう。たとえば、外観は個性の強い形状にするよりも、真四角のようなシンプルな形状のほうが建築費を抑えられます。また、屋根は山形の切妻よりも、一方向に傾斜がついている片流れのほうが施工費用を安くできるでしょう。

ただ、建物の形や屋根を優先すると希望する間取りができなくなるので、あくまでも間取りを優先にして、できるだけ費用を抑えられる方法を提案してもらうとよいでしょう。

・バルコニーを大きくしない
建築費が高くなる要因の一つに、広いバルコニーの設置などがあげられます。バルコニーは、雨風にさらされるため防水などの処理が必要なほか、人間の体重などの荷重にも耐えられる補強工事が必要です。また、広さに応じて補強費用が高額になります。長く住む場合は、メンテナンスや補修工事などのコストも後々発生するため、広いバルコニーに憧れているという理由だけでは、無駄にコストをかけることになるかもしれません。バルコニーの面積を広くする必要があるのか、あらためて検討しましょう。

そのほかの費用を抑えるには

土地や建物の購入費用のほかに、手数料などの諸経費を安く抑えるコツがあります。以下では、土地の仲介手数料や住宅ローンの選ぶ際のポイントをくわしく解説します。

・土地の仲介手数料を交渉する
土地を購入する際は、不動産会社などへの仲介手数料が発生します。仲介手数料は、宅地建物取引業法で、上限額が定められています。一般的に、上限額ギリギリの手数料を設定している会社も多いため、交渉によって仲介手数料を値引きしてもらうことも可能です。

また、競合他社との差別化戦略の一環として、仲介手数料の値引きや無料にするという会社もあります。ただし、別の名目で請求されたり、販売価格に値引き分を上乗せされていたりなど、結果的に安く抑えられないというケースも少なくありません。

・住宅ローンの金利が安いところを選ぶ
住宅ローンには、返済中に金利の割合が変動するタイプと、返済が終わるまで金利が変動しないタイプがあります。金利が変動するタイプを選択した場合、金利が安くなれば得ですが、高くなればローンの返済総額が増えてしまいます。

なるべく金利が低く、返済期間を短くするなどをして、総返済額を抑えましょう。また、金利のほかにも、事務手数料や保証料などにかかる費用は金融機関によって異なるので、事前に比較する必要があります。

特例を活用して節約する

上述した土地や建物の購入費用や諸経費を抑える方法のほかにも、控除や給付金などの特例を活用する方法もあります。活用できる特例は、以下の3種類です。

・住宅ローン控除
・すまい給付金
・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金

住宅ローン控除

住宅ローンを利用してマイホームを購入すると、「住宅ローン控除」を受けられます。住宅ローン控除とは、住宅ローンの残高額に応じた控除を受けられる制度のことです。制度を利用するには、合計所得額が3,000万円以下であるほか、住宅ローンの返済期間を10年以上で組んでいるなどの条件を満たす必要があります。

原則として、控除される金額はローン残高額の1%で、残高額の上限は4,000万円と定められています。また、住宅ローン控除を受ける場合は、控除を受けた年の確定申告で申請しましょう。

すまい給付金

購入費用が高額なほど、消費税額も高くなります。そのため、消費税率の引き上げは、注文住宅を購入する人にとって、大きな負担になります。国土交通省では、消費税率の引き上げによる負担を緩和するために、「すまい給付金」という制度を創設しました。すまい給付金とは、消費税率の引き上げごとに、住宅購入者に対して給付金を支給するという制度です。たとえば、消費税率が8%に引き上げられたタイミングで住宅を購入した人で、年収が425万円以下の人には30万円が支給されます。

10%に引き上げられてからは、年収が775万円以下の人を対象にすまい給付金が支給されるようになりました。給付を受けるためには、年収の上限のほか、購入した住宅が持ち家で、自らが居住するなどの条件をクリアしなければなりません。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金

ZEH(ゼッチ)住宅を購入した場合は、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金」を申請できます。ZEHとは、住宅におけるエネルギーの消費と創出の差をセロにすることを目指した住宅のことです。

ZEH住宅の主な特長は、高気密高断熱材の使用や太陽光発電エネルギーシステムの設置など。そして、ZEH補助金とは、ZEH住宅を建てた人を対象とした補助金制度のことです。ZEH補助金制度を活用すれば、住宅の建築費用などにあてる自己資金を安く抑えることができます。ZEH補助金の申請は、基本的にZEHビルダー・プランナーによって行われるため、対象となる住宅メーカーや設計事務所などに依頼する必要があります。

ZEHハウス=「B-SMART」 | 神奈川・横浜・相模原エリアの注文住宅ならビルドアート

まとめ

注文住宅は自由に設計できるため、少しの工夫で価格を抑えられます。土地や建物を購入する際に、上述したコツを試すほか、住宅ローン控除や給付金などの特例をうまく活用しましょう。

ビルドアートでは設計の提案はもちろん、ZEH住宅や費用の相談も承っています。ぜひお気軽にご相談ください!

PAGE TOP

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。